死ぬまでにしたい10のこと
11/25
4.0点 余命2、3ヶ月と宣告された23歳のアンが、死ぬまでにしたいこと10のリストを書く。
自分が死んでも世界は変わらず続いていくという孤独感にさいなまれつつ、愛する家族のためにできることをひとつずつクリアしていく。
幼い2人の娘に毎日愛してると言ってあげる。娘が18歳になるまで、毎年の誕生日のためのテープを吹き込む。自分の代わりになる新しいママを見つけてやる。刑務所にいる父に会いに行く・・・etc.
トレーラー暮らしで貧乏だけど、やさしくてハンサムな夫、いこじな母、ダイエットマニアの友だち、誰にも知らせずたっとひとりで人生に別れを告げる準備をする。
そして、自分のために、ろくに恋もしなかった自分のために、夫以外のボーイフレンドを見つけてつかの間の夢をみる。
自分のためのリストも作ったところが泣ける。その彼にも死ぬことを黙りとおしたのが泣ける。
フツー、家族には心配かけまいと黙っていられるかもしれないけど、その恋人にも何も言わなかったのがエライ。
しかし、余命3ヶ月足らずと言われても、めげずにこんなに果敢に行動できるというのはやっぱり強いのかもしれないな。
私なら、ただ、ぼーっとして、メソメソと時が過ぎてゆくだけだろうな、たぶん。
シャーロット・グレイ 11/5 4.0点
(ロードショー公開でなくても映画フイルムで見た場合に載せます)
地元の女性映画フェアで上映されたもので、昨年公開の映画。
ストーリーとしては『戦場のピアニスト』の女性版といったところか。ケイト・ブランシェット主演。
第二次世界大戦中、イギリスの看護婦のシャーロットは、フランスで行方不明になったパイロットの恋人を探す目的もあって、諜報員としてフランス南部に赴く。
レジスタンスの若者の父親の農家でユダヤ人の幼い兄弟をかくまったり、ナチの影が色濃くなっていく中、過酷な運命と向き合ってのち、イギリスに帰国。死んだはずのパイロットが彼女に会いに来たが、もはやお気楽な恋心は消えてしまった。戦争が終わり、シャーロットはかつてつかのま暮らした南フランスの村をたずねて行く。そこは「本当に生きる」ことに目覚めた場所であり、真実の人が待っていた。
全くストーリーを知らずに見たので、最後まで、先行きどうなるかどうなるかとハラハラして見終わった。
予告編が当たり前にはなったけれど、何も見ずに映画を見るというのは面白いもんだね。
藍色夏恋 10/30 4.0点
ひと昔前の日本の高校生活のような純で素朴で爽やかな台湾青春映画。
ボーイッシュな女の子モン・クーロウは大好きな親友に頼まれて、気の進まぬまま、同じ高校の男の子チャン・シーハオに恋の仲介をしてやる。夜の学校プールで水泳の練習をしている彼をたずねて行ったり、ラブレターを手渡しにいったり。けれども肝心のチャンは友だちの方ではなく、モン・クーロウに興味を持ってしまう。「僕は顔もスタイルもカッコいいでしょ」と無邪気に言ってモン・クーロウに誘いをかけるが、彼女はぶっきらぼうで素っ気無い。夜の教室で「お互いの秘密を告白しよう」というシーンがいいね。チャンの告白は年頃の男の子らしいものでアハハ、フーン。そして、モン・クーロウの告白は「私、女の子にしか興味がないの」何とかして男の子を好きになりたいと願いながら心が定まらない。
かわいいといえば、親友の子のほうがずっと今風なんだけど、モン・クーロウは不細工なようで、宝石の原石のようなところもあって、ラストシーン、2人で自転車で走ってい彼女の笑顔がとても素敵に見えてしまうという不思議な子だった。
めぐりあう時間たち 10/9 3.5点
市民会館で上映。夜の部だったのに、けっこう人が入っていた。
いわゆる文芸物。よくわからん、退屈と思う人も多いかも。
イギリスの作家バージニア・ウルフをモチーフにして、時代の異なる3人の女性の物語。
ウルフの住んでいた邸宅が、ホワイトガーデンで有名なシシングハーストというイングリッシュガーデンになっているので、興味深々で見たかった映画なのだ。
精神を病んで、最後は入水自殺するバージニア=ニコール・キッドマン役、平穏すぎる生活に耐えられず突然家を出てしまうジュリアン・ムーア、レズやホモに関わりつつ現代を生きる編集者のメリル・ストリープ。
素顔の女性たちが遠くを見るまなざし、うつむく横顔が美しく哀しく、もがきながら、自らの道を歩いていくしかなかった。
いわゆる文芸物っぽいものは、もう、本で読みこなす元気も根性もないけれど、映画なら、その点、スーッと頭に入ってくる。
映像が主だから、ストーリーや心の動きなども言葉だけよりも心に残る。少々辛気臭い内容でも本を読むことに比べたら、ずい分と楽に味わえるなあと、この映画を見ながら感じた。
ビデオじゃなくて、映画という大きな画面で見ると、バックの画の構図や配色なども、よくわかるし、登場人物の時代の衣装も詳しく見られる。こういうのも映画の楽しみです。
クジラの島の少女 10/3 4.0点
ニュージーランドのマオリ族の村で代々指導者の家族物語。跡継ぎとして期待の男児は、難産の母とともに亡くなり、その双子の女児だけが生き残る。
最初は冷たかった指導者の祖父もやがて少女=パイケアをかわいがるようになるが、少女の父親である息子とも反目し、父親は外国に去ってしまう。祖父母とくらすパイケアは祖父の関心を得ようと健気にいじらしいが、女を指導者としては認めない。祖父に禁止されても叱られても、少女はダンスも武術も潜りも一生懸命に打ち込む。
あるとき、浜に迷いクジラが数頭打ち上げられ、村人たちは海に返そうと努力するが、なす術もない。
パイケアは自らの魂に呼び覚まされるがごとく、1頭のクジラに乗って嵐の海に乗り出していく。はるか祖先が遠い島からクジラに乗ってこの地にやってきたという伝説のとおりに、クジラに乗って(原題=whale
rider)いっしょに海の中に消えてゆく。
パイケアの名前を叫ぶ祖母、呆然と見送る祖父や村人。
数日後、少女は助けられ、やがて目覚める。
何十年ぶりに大きなカヌーが彫られ、新しい指導者を乗せて青年たちが漕ぎ出す。カヌーに座って晴れ晴れと微笑むパイケアと祖父。浜辺のダンスのリズム。高く揃う何十本のパドルの動き、白くはねる波しぶき、そして、エメラルドグリーンの海。ネイチャー系が好きな人は必見。
なんといっても、最後のシーンまでほとんど笑顔を見せず、不器用で媚びない少女がとても健気でかわゆい。
頑固で石頭で融通が利かなくて、妻にも見放されそうな祖父の棍棒のような誇り高き精神もりっぱ。実際に傍にいられたらうっとおうしいだけだろうけど。
それになんてったって、青い海、カヌー、ポリネシアの南の島を体験してきたばかりの私には、もう、それだけでなつかしー、南の島はほんとにいいよー
シモーヌ 9/13 3.5点
全然見るつもりじゃなかった映画。お目当ての映画が来週からだったので、他に見れそうなのがこれしかなかった。でも、まあまあ、面白かった。
アル・パチーノ演じる売れない映画監督がコンピューターで製作したCG女優シモーヌの起用により、映画は大ヒット。マスコミには、シモーヌを実在人物のように見せなくちゃならないし、プロデューサーの元妻もかんぐるしで、シモーヌをPCから削除したら、殺人罪で捕まってしまう。今はCGで何でも作れちゃうから、現実にあっても不思議でないお話。
最後もハッピーエンドでシャンシャン。
アル・パチーノってもっとおじいさんかと思ってたけど、まだまだ若かった。
英雄HERO 8/22 4.5点
超娯楽大作映画というのはあまり興味がないけど(後、心にシミジミ感が残らんから)これは絶対に見ようと。
まさに、映画!様式美、色彩美、雄大美、デザイン的な視覚美、陰謀、恋、どんでん返しのストーリー展開、映画館で見る幸福を味わえた。
秦の始皇帝暗殺に絡む一大活劇ともいう内容で、少なくとも、マトリックス(1の方しか見てないけど)よりはわかりやすいし、マトリックスのエイリアンみたいなのよりはずっといい。
西のマトリックス、東のHEROっていうんだって。私なら、黒のマトリックス、赤のHEROという。
中国の広大な砂漠でのエキストラ総動員シーン、何万何十万本もの槍が飛ぶ様は圧巻。
虚実取り混ぜの導入部は、初めストーリーが「えっ?えっ?」と戸惑うので注意。
ネタバレというほどでもないが、服装の色のテーマがあって、赤、青などはウソの話を再現している。
漢字圏の日本人には「書」の極意は剣に通じるみたいな話はとても面白いけれど、アルファベット圏の人間にはわかるのだろうか?ただの絵画に見えるんやろうな。
互角の戦いシーンは香港映画のワイヤー吊りで撮影してるらしい。CGがマトリックスのパクリみたいなようなシーンもあるし、延々と空中飛んでて、退屈するときもあったけど、よくできてます。
中国人俳優の顔、あまりよく知らないし、初めはフツーぽい顔が終わりくらいになると、すごくカッコよく見えてきて我ながら、ホーッと思った。
戦いのシーンでは何度もウトウトと寝てしまったよーと友だちの感想もあるので、ウーン、ま、人それぞれね。
エデンより彼方に 8/22 4.5点
見そびれたと思っていたら、別の映画館で22日まで上映していた。観客は10人くらい。
正統アメリカ製メロドラマ、興行的にはヒットしなかったけれど、よかったです。
1957年、アメリカ東部の町でエリートの夫やかわいい子どもたちと何不自由なく暮らす美しい妻
良妻賢母で社交界でも注目されている。
誰にでも優しい彼女は、黒人の庭師と打ち解けていく。そして、ある日夫の秘密(同性愛)を知ったことから…人種差別、同性愛差別の社会で、みなそれぞれ思い悩んで、結局は別れてゆくことになる。涙ウルウル。
ストーリもいいけど、この映画のいちばんのお勧めは色彩。
紅葉に染まる木立の中のアメリカンスタイルの家、流行のファッション。基本の色はオレンジとアクア(深い水色)車の水色、ドレスのオレンジ、カーテンの青、紅葉。全てがこの二色で統一されている。
この、色のデザインを見ているだけで、至福の気分になれた。
おウチのビデオで見てもこの圧倒されるような色彩美は味わえないだろう。
1950年代の後半、やはりアメリカは豊かだったんだとつくづく思う。日本は貧しかった。戦争に負けて当たり前。
主演のジュリアン・ムーア、美人だけど、お化粧がきつくて能面みたいで愛嬌が無さ過ぎる。
彼女は絶対にスッピンがいい。
戦場のピアニスト 7/22 4.5点
映画も「予想以下」というのもあれば、「予想通り」のときもあるし、もちろん、「予想以上」ってのもある。
この映画は、特に見たいわけじゃなかったけど、せっかく市民会館にくるし、アカデミー主演男優賞取ったし、ということで、見ておいて悪くないかと…
第二次世界大戦、ナチスドイツによるユダヤ人迫害のなか、ピアニストのシュピルマンがワルシャワで生き抜いた実話にもとづく。
この映画を見るにはかなり気構えを要し、内容的にしんどいだろうなと覚悟して見に行った。
前半はユダヤ人迫害のシーンが数多くあって、見ていてツライものがあるが、それを越えて、最後は感動的なストーリーにつながっていく。
シュピルマンが決して英雄ではなかったこと、いかにも繊細そうな、やさしい、どこにでもいそうな青年であるのがいい。ちょっとしたきっかけや、運命の分かれ道のような感じで生き抜いていく。
隠れ家を転々としていくが、生き続けていくのに必要なものは、強い意志でも誇りでもなく、ただ食料なのだというところにリアリティがある。
ピアニストは嘆きや怒りの言葉を吐くこともなく、ただ、悲しみと戸惑いの深い瞳に胸をうたれる。
廃墟と化したワルシャワの崩れたビルの中でヒゲぼうぼうの姿で弾くピアノ。
後にりっぱな大舞台で独奏するシュピルマン。
音楽がきちんと聞こえたら、もっと、感動的なんだろうなとちょっと残念。
現在も、世界には、砲撃と飢えと寒さにさらされている人々が居るということを考えさせてくれたりする。
予想を違えて、見てよかった映画ではあります。
少女の髪留め 7/8 4.0点
以前から定評のあるイラン映画。
建築工事現場で怪我をした父親の代わりにあどけなさの残る少年が働きにやってくる。
お茶係の若者がこの少年に楽な仕事をとられて、イジワルするが、実は少女だと知って急にかばって
やり、恋をするようになって、少女の幸せのために心をくだいて、お金も用意してやる。
報われれるものは何ひとつないのに、少女の家族はトラックでアフガニスタンに帰ってしまって、
ひとり雨の中に残されて、それでも、ひっそりと満足の微笑を浮かべる若者。
貧しさの中にあって、2シーンだけ女らしい顔を見せる物言わぬ少女のひたむきさ。
イランというところは熱射砂漠的感じがするけど、雨や雪が多いところなんだ。
色彩的にもモノクロ風で地味だし、ストーリーだっていたってシンプルだけど、心がじんじんしてくる。
ひたすらセメントで積み上げていくレンガ作りの建物にも手作業的に味わいがある。
「やっぱり、貧乏はツライなー」と同行の友人は言うけど、人はどんな境遇にあっても、好きなものを見つめることができる、という希望の映画だと思う。
見ているときよりも見終わった後に心に残る、こういう映画は好きです。
アバウト・シュミット 6/27 3.0点
異相ジャック・ニコルソン主演の定年後の男の生き方をめぐるお話。
家庭第一のアメリカにもワーカホリックはいる。毎日が日曜日になってしまって、妻のクセや日常習慣にも嫌気がさす。「座って用を足せ」と言われて、洋式トイレの汚れというもんは、発祥の地でも深刻な問題なのだと可笑しい。
そして、その妻が突然死んでしまい、家中グチャグチャになるわ、遠くに住む娘はアホな男と結婚しそうで、ろくに相手になってくれないわ、バスほどのバカでかいキャンピングカーを運転して、結婚式に乗りつけるが…婿の母親役のキャシー・ベイツがエキセントリックで巨体を揺らして楽しい。
花嫁の父として心にもないあいさつをして、再びデンバーからオマハまでキャンピングカー帰ってゆく。
月に22ドルのチャイルド支援にかすかなよりどころを見つけて、何とか身を立て直そうともがくニコルソン。滑稽でもあり、悲惨でもあり、感動的?でもある。
「定年後の男の身のつまされ方」なんて紹介もあったけど、こんなもんで、身がつむか?
はっきりと線引きされた定年のない女にとっては、別段どうってことのない内容に思えるけどね。
冴えない役やっても、やっぱり、ジャック・ニコルソンではな、あんまり同情心もわかない。
ハリソン・フォードが演ずれば、いやぁ、かわいそう…の気持になれるかもしれない。
人生設計というか、独りになっても生きてゆける術は早いうちから用意しておくべし。
でも、男でも女でも、どうせいつかは独りになるんだ。寂しくったって何とか元気に生きていこうな。
シカゴ 4/19 2.0点
アカデミー賞最優秀作品賞、助演女優賞など最多6部門をとった作品。
それで、1 はつけられないのだ。エヘヘ…
見る気なかったのにはずみで見てしまった。はーっ、つまらんかったー。
音楽がちゃんと聞こえないというせいもあるかもしれないけど、改めてミュージカルは性に合わないなーと思った。
けど、娘も今まで見た中で一番面白くなかったと言ってる。
たった15分ほどの物語を2時間かけて歌ってセクシーに踊って華やかに作り上げてあるんだろうけど、フツーの映画をフツーに好きなフツー人にとってはダメでした。演劇が好きな人向きかも。
それにしても、ハリウッドの大スターってほんとに何でもこなせるんだな。
今日、「シカゴ」を観てきました。
ひらりんの言うように内容がないし、始めは退屈でまた寝そうになった。
隣のオバサンも途中寝てたみたい・・・
でも、最後はよかったぁという感じ。中途半端な耳でも聞きほれたよ。
帰る時、最後の曲(最初のも同じ?)が頭にこびりついてハミングしながら帰ったもの(もう忘れたけど)キャサリン・ゼダ=ジョーンズってすごく上手やね。
ひらりんは突然音楽になるのが気になるといってたけど、あれは内面を上手く表わしていると思う。
内容はどうとことなくてホンマしょうもないけど、やっぱり、ミュージカルが好きなものにはいいのかも
たそがれ清兵衛 4/5
4.5点
2002年度の日本の映画賞を総なめにした話題作。市民会館で日本語字幕スーパーで上映された。
時は幕末、所は東北庄内の海坂藩。 お城のお勤めが終わるとさっさと下城するため、
たそがれ清兵衛と揶揄されるぱっとしない藩士。幼い娘2人と呆けた母親を抱えた平侍を真田広之がむさくるしく演じている。融通が利かないかと思うと、伯父に理屈を言ったり、やさしい父親の顔、幼なじみのりえに対する恥じらい、刀を研ぐときの厳しい顔つき。役者は表情が勝負。
出世する気などまるでなく、内職と畑仕事をこなし、家族を慈しみながら淡々と日々を過ごしているところに、少しばかり剣がたつから、果し合いや藩命で人を切りに行く羽目に。
こういうところにリアリティを出したとかで、宮沢りえの着物だって、全く愛想のないモノクロ系になっている。
人物に色合いがない分、背景の自然が美しい。早春の枯れ野原の若芽摘み。雪の残る月山の遠景に芽吹く木々。清冽に流れる川と広々とした川原で釣りをするシーン。
クライマックスの殺陣の動きはちょっと懲りすぎかなと思ったけれど、最初の対決で、清兵衛が相手をひょいと飛び越えたような殺陣は一瞬目を疑ったような技だった。たぶん実写だろうと思うけど、ちょっとすごかった。
会話はほぼ方言そのままで、素朴な味わい。そして、最後はハッピーエンドに終わる。パチパチ。
原作の藤沢周平は用心棒シリーズや三屋清左衛門残日録は読んだが、たそがれの原作はどんなん
運命の女 2/21
4.0点
ただの不倫サスペンスメロドラマかと思っていたが、映画評で人間描写がいいと書いてあったので、興味を引かれた。人妻は見ないほうがよいとか、夫には見せたくないとか、そういう感想が多い映画。
誰にでもあるようなきっかけで(ニューヨークであんな竜巻みたいな風が吹く?)幸せな人妻が若いイタリア男にハマっていく。ためらいながらも逢引を続けるダイアン・レインが切なくて素敵だ。
夫役のリチャード・ギアが冴えない役なのに、やっぱりカッコええ。
後半、あまりにも絵に書いたような安直なストーリー展開に少し白ける。
すぐに、夫に感づかれてしまうのもウソっぽいし、それにそんなに簡単に相手を××できるもんか?
そして三人三様、哀れな結末を迎える。ハッピーエンドじゃないのはツライけど、
それぞれの表情だけでも見応えがある。
この映画、好悪はっきりわかれると思うが、嫌いと感じるだろう人は、はじめっから、こんな映画は見ようとも思わないだろう。
不倫願望に火をつけることになるか。安易に不倫すればこういうことになりますぞという警告になるか。
でも、ま、「美しい妻」であることが全ての元凶でしょう。当方には関係なしか…
映画はキャストで半分以上決まるという見本みたいな、これはキャスト勝ちの映画である。
阿弥陀堂だより 2/8
3.0点
市民会館で上映されたので、劇場公開より遅れて見ました。
これも評判がよかった映画。エリート外科医の妻が東京で心傷つき、夫婦で故郷の信州の山里に帰って、新しい人生を始めるという再生物語。阿弥陀堂の堂守りのウメばあさんや喉の病気で声を出せない娘との交流、心優しい里の人々、美しい信州の四季。
寺尾聡の飄々とした演技がますます冴えてくる。
ウ〜ン、 私はダメでした。景色は美しいけれど、退屈。せめて、もっと、夫婦間の葛藤が描かれてもいいのでは… 北林谷江演ずるウメばあさんだけは良かったけど、なんで、こんないい人間ばっかり出てくるねん。
ちなみに、いっしょに見に行った同行者2人は、共に「とっても良かった〜」「心がしっとりと落ち着いていい映画だった」と5評価だった。たぶん、私の見方が皮肉なんでしょうな。
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