都都逸もどき

都都逸とはおおまかにいうと、7・7・7・5で作り、読み込み都都逸は、頭が決められた言葉で
始まるものです。お題は、き・こ・え・た(聞こえた)               
  
                              ( ACITA会報53号 2001.05 より転載)

ホスト ひらりん ゲスト 楚竹
人 工 内 耳
き  聞きたくなけりゃ
こ  コイルをはずし
え  ええ…とうなずく
た  タヌキ聞き
き  聞くもあほらし
こ  このカラオケは
え  英語並べた
た  ただの音
宅 配
き  北の国から
こ  小包届く
え  襟裳岬の
た  旅便り
き  来たよ来ました
こ  心のたより
え  笑顔を運ぶ
た  宅急便
今 時 の …
き  希望のボディ
こ  小顔に痩身
え  エステティックに
た  大金かけ
き  きっと乗ります
こ  娘(こ)の美しさ
え  縁は異なもの
た  玉の輿
青春物語15シーン 演歌15景
き  君はキリンだ
こ  コアラはボクさ
え  遠足帰りに
た  戯れる
き  君にもらった
こ  この襟巻きは
え  英国メイドの
た  宝物
き  君はまだまだ
こ  子どものように
え  笑顔幼く
た  高き声
き  機嫌直して
こ  恋しいあなた
え  笑顔見せます
た  立ち鏡
き  君のひとみに
こ  木漏れ日揺れて
え  炎天気にせず
た  立ち話
き  君との淡い
こ  恋を諦め
え  縁の糸きり
た  ただ独り
き  君が希望の
こ  高校名を
え  絵馬に記して
た  託す願 
き  君と別れて
こ  今宵の月に
え  エレジー歌い
た  ただ涙
き  君の横顔
こ  こっそり写す
え  描いたノートは
た  大切に
き  きっと何時かは
こ  この悔しさを
え  笑顔に変える
た  誰かいる
き  君への想い
こ  ことばに出せず
え  XとYは
た  対角線
き  華奢な身体の
こ  小唄の師匠
え  襟を合わせて
た  立つ座敷
き  君と僕とは
こ  恋人同士
え  絵空事でも
た  楽しき日
き  着始めの帯の
こ  凝った絵柄は
え  縁起を担ぐ
た  鯛の浦
き  君の元へも
こ  恋文届き
え  笑み返せずに
た  ただ無言
き  岸の柳や
こ  小石の波紋
え  円弧描いて
た  立ち消える
き  君はむくれて
こ  こちらを見ない
え  円卓のふち
た  たたく音
き  金の象嵌
こ  琥珀の櫛は
え  縁の証よ
た  大切に
き  君と通った
こ  郊外電車
え  沿線の街
た  たそがれる
き  帰港の船に
こ  恋しい人の
え  笑顔見つけて
た  立つ背伸び
き  君の未来は
こ  ここにはないと
え  選んだ道を
た  ためらうな
き  気負いすぎです
こ  今夜のあなた
え  得手勝手です
た  高いびき
き  君もいつかは
こ  恋する女性(ひと)に
え  駅の階段
た  立ち去りぬ
き  決まり文句の
こ  この三行半は
え  縁切り状と
た  啖呵切る
き  君と歩いた
こ  コースをたどる
え  映画館前
た  立ち止まる
き  気にかかります
こ  瘤と違うし
え  笑窪でもなし
た  蛸の足
き  君はどこかで
こ  この空の下
え  エプロンつけて
た  たおやかに
き  君と私の
こ  好みの宿は
え  遠慮要らない
た  蛸の壷
き  君とのことは
こ  心のすみに
え  永遠の詩(うた)
た  ためて生く
き  嫌いなあなた
こ  ここから消えて
え  エイッと噴出す
た  蛸の墨

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