Kissデジお供に   はるかな尾瀬 2 2005.7.28〜30

尾瀬ヶ原の白樺

寝坊すけの私がなぁんと5時には目覚めてしまった。
早寝すると、早く起きられるのだ。
ごく当たり前のことを身をもって実感する。
早々と朝食を済ませ、昼食のお弁当とお茶を受け取って6時過ぎにはザックかついで山の鼻を出発。
当然とばかりに重たいおにぎりも飲み物も全部夫のザックにほりこむ。
だって、私はカメラ関係で1.5kgだもん。

露の浮島


涼しいのを通り越していたので、重ね着をしていたら、歩き出すにつれ、朝日に照らされてたちまち汗をかく。
朝露が葉っぱにも花にもクモの巣にもガラスの粉をふりかけたようにキラキラとさんざめいている。
片っ端からバチバチ撮ったのに、やっぱり、私の腕では狙い通りの写真があがってこなくてガックリ。

このあたりは池塘(ちとう)という小さな池や浮島が多い。
朝もやと露のせいで、昨日のようにくっきりした写真は撮れなくて枚数ばかり増えていく。
湿原のナガバノモウセンゴケも露にぬれて珊瑚色に光っているが、200mm望遠ズームではさほど大きくは撮れなくてやっぱり300mmが要るなぁ。

逆さ白樺


昨日もやってきた牛首で小休憩。
草原にはニッコウキスゲがあまり見当らないのでもうおしまいになってるのかと、向こうからやってきた人に訊ねると、尾瀬沼の方は咲いてますよって。
ちょっと安心した。
夏の尾瀬にニッコウキスゲがなかったら、彩りが何にもなくなって単調きわまりない。
何のためにやってきたのかわからんようになる。

牛首の標識

牛首十字路から左に曲がるとヨッピ橋に行くが、定番どおりにまっすぐ竜宮十字路をめざす。

竜宮小屋に着いたのが8時半ごろ。
帰ってからメールを見たら、おーちゃんは竜宮に8時ごろに着いて、ここから山の鼻をめざしたというので、どう考えても、途中ですれ違ったとしか思えないのに、ついに2人は逢いみまえること叶わず尾瀬を後にしたのでありました。

今度そういう機会があれば、真っ赤のパーカーにまっ黄の帽子でも着て目印にしよう。

そして、ここで、尾瀬一生の不覚を知ることになる。
尾瀬の写真では必ず出てくる「下ノ大堀川」のビューポイント、
昨日、山小屋で買った尾瀬撮影ガイドブックを開くと、牛首と竜宮の間にあるらしい。
夫に言っても「そんなカメラマンがたかってるとこなかったなぁ」と言う。前回も前々回も撮り損ねているのに。
1人なら、即、引き返して撮りに戻るんだけど、往復2時間はかかるやろうし、さすがに私もそこまで言えずに鬱々。
言うても「アホか」て怒られるに決まってるし。
思い当たるところとと言えば、左に入っていく木道があったので、たぶん、あそこだったんだろう。
いつもなら、ちょっと見てくるって確かめずにはいられないのに、この時は何とも思わなかったのだ。
しばらくウジウジと下を向いて歩いて、竜宮の辻をヨッピ橋へ回ることにする。

   ヨッピ橋
   ヨッピ橋  

今日は尾瀬沼の東端を目指して、一番の長丁場の歩き(17q)
になる。
朝霧は薄れてしまっていたが、地上の全ての物が透き通ったベールのような朝露に被われている。

早朝の霧と露にぬれる尾瀬ヶ原

クモの巣も草もキラキラと

尾瀬のカメラマンたちはほとんど一眼レフと三脚を抱えている。
カメラ持って一人旅で歩いている若い女性もチラホラ。
私も誇らしげにKissデジNをぶら下げて、カッコよく決めたつもりだけど…


水面のヒツジグサ


ニッコウキスゲ

風がないと鏡のように映る池塘

池塘に映るヤマドリゼンマイ

野アザミとシモツケソウ

コバギボウシとヤマドリゼンマイ

               西の至仏山がずいぶん遠くに見えるようになって、かなりの距離を歩いて来たようだ。↓
               真ん中あたりに、亀の頭のように盛り上がったところが牛首。                
               木陰のない草原地帯を歩いていると高原とは思えないほどに暑い。            
               シダのようなヤマドリゼンマイが生い茂っているなかで、コバギボウシの紫が目立つ。      

  

夫のザックには小さな鈴がカラカラと音を立てているが、こんもんでは熊も避けてはくれへんだろう。
ここらへんはほとんど歩いている人もなく、山が迫っているので、いかにも出そう。
ヨッピ橋から東電小屋辺りは、よく熊が出没している。
熊除けの鐘が設置されていてガンガン叩いておいた。
もし、出合ったら、あわてず騒がず静かに後ずさりすること。

熊除けの鐘

東電小屋で休息、ここでジュースパックとコーヒー缶を飲む。夫は売店の人に熱心に熊情報をたずねている。

このあと、見晴らしに出て尾瀬ヶ原ともお別れ、道は登りが続いて標高差270m高い尾瀬沼まで歩いていく。

12時を過ぎたところだが、木道際には休むところもないが、少々疲れたしお腹も空いたし、木道のそばの切り株に座っておにぎりを食べた。
ほとんど林の中を歩くので、日光はさえぎられるものの、道は登りになるし、あまり眺望もきかず、ゴロゴロ山道が続いたりで汗ボタボタ、シューズが足首にすれて、しんどかった。

尾瀬沼の周りを半周して沼尻(ぬしり)で休憩。
お土産の絵葉書や、タオルマフラー1000円も購入。
タオルを首に巻くよりカッコよく、ウォーキングにも使える。

尾瀬沼湖畔

空はどんよりと曇ってきて、足も少しずつ重くなる。
尾瀬沼の山小屋地域まで来たら、ついに夫の姿を見失ってしまった。
えーっと、私の泊まる山小屋は尾瀬沼ロッジだっけ?
そんな名前のところを探していると、なんだか、どんどん外れていってしまうようで、しばらくして引き返した。

尾瀬沼ヒュッテというのがあるので、ここでちょっと聞いてみよう。
「先ほど、お部屋に入られて、また出ていかれましたよ」
ムカッ!
せめて、ロビーにでも待ってくれたらええやんか。
ウチのいつものすれ違い、行き違いってヤツだ。

カギをもらって、私も部屋に荷物を置いて、カメラだけもって近くの大江湿原で行った。
ま、泊まるところはわかったし、あとは自由に写真撮ったらええねん。
大江湿原は福島県側の沼山峠から最短アクセスできるところで、観光客がかなり多い。
ここは、ニッコウキスゲがまだまだ咲き誇っていて、絵葉書の通りの景観が広がっている。

トレッキングシューズがくるぶしに当たって痛かったので、
サンダルに履き替えて歩いていたら
「そんなサンダルで大丈夫?」
ってよそのおじさんに言われてしまった。
イエ、別にちゃんと登山靴はあるんですよって言い訳。

窓辺の雑誌

山小屋の窓辺に、「尾瀬撮影ガイド」と絵葉書を並べて。
帰宅したら、駅前の書店にも同じ本が売っていた。
ジュース缶やペットは2倍近くしたけど、本の値段は尾瀬でも街でも同じ。何でや?


延びる木道

トンボを手掴み
夫はトンボ取り名人 ↑
     私もコツを伝授されて2匹ゲット

で、ずずーっと見渡すと、ニッコウキスゲの中のベンチに見た人が座っている。
いつものことなんで、二人とも何もなかったかのように、ぐるっと回って、ニッコウキスゲを撮る。

空模様が段々と怪しくなってきて、例によって、夫は一番風呂を目指して山小屋へ引き上げていった。

大江湿原ニッコウキスゲの原

4時すぎから激しい夕立が降ってきて、夜の間、降ったり止んだりしていて、今夜は星空は望めない。
ヒマを持て余した私は、ひとりで7時からのビジターセンターのスライド上映会に出かけた。ホンマにちっともジッとしてへんヤツやなぁ。

ここ尾瀬沼ヒュッテも山小屋ながら、共用トイレはウォッシュレットで快適。

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