アバウトイタリヤ  雑談編  旅のお話あれこれ

《ドロボー》
ご存知イタリアはスリやカッパライが多くて治安が悪い。
出発前もイタリアへ到着してからも、添乗員から何度も注意を受ける。
「バッグは斜めがけして、お腹の前で押さえる」 
ハイハイ、わかっておりまする。が、幼稚園の遠足じゃあるまいし…
そして「2列縦隊、手をつなぎ…」 とまでは言わんかったけど、
それに近い形態でお行儀よく行進。皆で歩けば怖くない。

幸いにして、ウチのツアーは誰も被害には合わなかったが、知り合い、有名人(村上春樹の奥さんもローマで
強引な引ったくりにあった)みなやられている。
フィレンツェやベネツィアでは他所の外国人観光客もわんさか来ていたけど、みんなお気楽・極楽・バカンス満喫、手提げやショルダー持ってのんびり歩いているのに、なんで日本人だけがっちり防御せなあかんねん?
日本人はお金を持っていると思われているんだろうけど。

ただし、ベローナの街中で捕り物騒ぎには出くわした。
ピーっと笛がなったか、皆がサッと道をあけたか、通りの目の前をドロボーが駆けて行って、すぐポリスが追いかけてきて、あえなくお縄ちょうだい。
オマケにこのドロボー、ホントに絵に描いたようなドロボーでさ、大きな白いシーツみたいなのに盗んだと思われるかばんやバッグが通りに散乱。
そんな、すぐにドロボーってわかるような盗み方するか、フツー?もっとさりげなくやらなきゃ…
なんだか、ロケでもやってるようなわかりやすい見せ場ではあった。
あたりにカメラはなかったから、ほんまもんだったのでしょう。たぶん。
しかし、あのバッグはブランド物なんだろうか?安っぽそうなバッグみたいだったけど…

治安悪いという前評判にもかかわらず、観光地は至る所にポリスやパトカーの姿が目立ち、
フィレンツェのミニパトには市内地図も積んでいて、親切に観光案内までしている。
どこの町も「観光イタリア、がんばって守ってます!」キャンペーン実施風でなかなかに気合いが入っていた。

《迷子》
これも雑踏のベローナの出来事。
かなりの人ごみ(心斎橋くらい)の狭い通りを次の名所までツアー39人がゾロゾロ歩いているとき、
私は前を歩いている同じツアーのおぢさんの野球帽を見ながらついて行ったら、
途中で友だちの姿が見当たらない。野球帽から離れなきゃ大丈夫とばかり、ついていくんだけど、むむむ?
「あのー、他の方は?」と声をかけたら、いつの間にやら我々5人しかいない。
自分一人になってしまったら、それは焦るだろうけど、5人いれば何とかなるだろうと立ち止まってキョロキョロ。野球帽のおぢさん、アンタがしっかり前の人についていかへんからはぐれたんとちゃう?
責任感じたのかおぢさんが引き返して探索に行って、15分ほどでツアーに合流できてヤレヤレ。
ジュリエットの家の曲がり角を見逃したらしい。
「ウヮーッ、迷子になったわー」 とノー天気に言う私に
「友だちがいません!」と添乗員さんに助けを求めたりしてとかで、Y子の顔が少し引きつっていたような…
《ユーロ》
今年の6/1から全面的にユーロに切り替わった。
紙幣もコインもこころなしまだピカピカのような気がする。
コインは日本のように大きさや色や穴ありなど、はっきりしてなくて、形態的な区別はちょっとわかりにくい。
おまけに日本で不評のの単位がある。20ユーロ、2ユーロ、20セントetc.

1ユーロコインは日本の100円硬貨よりも重くて風格があって、
裏にはレオナルド・ダ・ビンチの有名なはりつけになったような人体画が描かれている。
だから、1ユーロコインはとてもわかりやすいと思う。

紙幣でばかり買物をすると、たちまちコインだらけになってしまうのに、Y子は少し目が弱いので
(頭じゃありません)ついついお札を出すようで、サイフがずっしりしてくる。
で、時々私がコインを数えて支払いの手助け。
私はなるたけコインで払うようにするから、チップ用のコインまで不足してY子に両替してもらう羽目に…

最後のミラノ空港でお菓子やお土産を買って、現金は余すところ35セントで終了。
Y子はまだまだたっぷり紙幣もコインも持って帰ったから、また、ユーロ国に旅行に行くつもりなんだろう。

《イタリア人》
旅行社のツアーなので、自由時間はほとんどないし、自分で交渉することもないから、イタリア語を話せなくても(もちろん英語も話せないけど)さほど問題はない。
お店ではイタリア単語を電子辞書から引きずりだしてくるより、簡単な英単語で通じることも多い。

店員もホテルマンも男性は総じて愛想がよい。さすがイタリア男!カッコもいいしね。
ラテン系のイタリア人は体格は日本人とあまり変わらないし、髪の毛も茶黒系だし、肌も真っ白じゃないし、
金髪紅顔碧眼のゲルマン系白人に比べるとうんと親しみやすい。
逆に女性店員は見事なまでに無愛想でつっけんどん。
マクドのマニュアルはやりすぎだけど、日本ほどにっこりサービスに励んでいるところはないと思う。

イタリアに限らず白人の女性は20代まではもう抜群にスタイルはいいし美人なんだけど、
中年以降は皆例外なく太っていて。ケバハデ系のプリントワンピースなんかを着てる。
観光地でも街中でもおしゃれなミセスにはほとんどお目にかからなかった。
ま、一般人も良家のマダムも8月はバカンスシーズンで不在だったんかもね。

《おしゃれ》
各地の観光地では現地在住の日本人ガイドが説明をしてくれる。
だいたい中年の女性だけれど、観光ニッポン相手のガイドだから
笑わせたりしておしゃべりは上手い。
そして、服やバッグのセンスもなかなかのもんだった。
シンプルだけど、おしゃれっていう感じ。
イタリアに住んでるとやっぱりおしゃれ感覚はよくなるんかな?
イタリアの色彩感覚は世界一だっていうしね。

 moschino の秋のディスプレイ 

イタリア経済は今、活況をおびているそうだ。
それでも一人当たりの所得は日本の半分だというし、
日本からイタリアへ向う観光客は年間百万単位で、
イタリア→日本は数万とか。
どこに楽しみを見出すかってところのちがいなんでしょうが。

以上、たったの8日間の旅の感想、独断のお話なので間違っているところはご容赦ください。

帰路の飛行機で海の向こうに日本が見える。
雲の上に富士山の峰がのぞいている。
 ♪ ふーじは にーっぽん いちのー やまー ♪

山の緑は濃く、海の青は深い。いろいろあるけれど、日本だって捨てたもんじゃない。

                                             お終い

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