勝手にコーヒーブレイク(60)   《身の回りのお金》           

 お金関係には疎いほうである。というか、無頓着な面があるくせに、100円単位のお金にはこまごまと損得勘定が働き、プレーンヨーグルトを安売りで100円で買えたらおおいに得した気持ちになるという賢い主婦なのだ。ちなみに私はヨーグルトは森永ビヒダス無脂乳、マーガリンは明治コーンソフト、お酢はミツカン米酢、マヨネーズはキューピーハーフ、カレーはハウスのバーモントかジャワカレー、レギュラーコーヒーはUCCと、いたって定番当たり障り無しの嗜好である。

 十万円以上の単位となると、ようわからんと思考が働かなくなる。結婚したときから家計は夫が管理しているため、私名義の貯金だって夫の言いなりに印鑑と現金を持って銀行に預け替えに行ったら、「すみません、百万円足りませんが…」と窓口に言われて、オヨヨ!これではいかん、と自分の貯金通帳と年金は自分で管理するようにした。そんなん当たり前やんと言うなかれ。

 『池上彰のお金の学校』は解り易く、お金に関すること、保険、金融商品や為替、経済の成り立ちなどふむふむと読めてしまったけれど、はて、人に説明しようとするとあれ?というくらい頭に入っていない。お金は血と同じでめぐりが悪くて滞ると体(国の経済)にとって良くない。だから、しっかり使いましょうって。

 しかし、アベノミクスであれよあれよと株は上がるは円安が進むは。民主党のあの暗―い停滞感はいったいなんやったんか、うーむ、素人にはようわからん。今の活況感は国債発行で国の借金がまた増えて、このままバブルになるとどういう弊害が起きるのか…これまたよくわからん。せいぜい春用の衣類を買ってランランくらい。

 もっと差し迫ったお金問題というと相続である。共に90歳前後の実父と義父がまだ元気だ。相続は争族とも言われるくらい、親族トラブルの原因になったりする。現金などの資産は無いから大丈夫と思っていても、今、住んでいる住宅があれば資産として計上される。その少しの資産が元で骨肉の争いになったりすれば、死んだ者も死に切れない。相続税が払えなければ今まで親といっしょに暮していた家敷地も手放すことになりかねん。複数の子どもがいればそれぞれの分配にも揉めたりする。同居の長男より、別居の次男のほうが親に優しいのは、たまに会うときだけええ顔しておけるからでもある。

 大金持ちはそれなりに相続対策もしてあり、子どもも富裕で生活に余裕のあるところが少なくないのでむしろ揉めず、小金持ちほどいざこざになる傾向があるらしい。それに、同居の姑や舅にどんなにお世話をしても、嫁には相続の権利は一切ないのである。親よりも旦那が先に死んでしまったら、いくら年寄りの親の面倒をみていても、親からの遺産は全く無し。自分に子どもが居なければ、自宅も含めて財産は旦那の兄弟などに全部いってしまう。世話かけた嫁に残しときたければ遺言書を書くしかない。わが家だって、相続税がかかるほどの現金はなくとも、持ち家の自宅はあり、子どもは2人だから絶対に揉めないとは言い切れない。

 『相続のミカタ』は短編フィクション仕立てにした、相続のマニュアル本である。しかし、いっしょうけんめい読んでメモも取っておいたところで、税制が変わるようなら意味ないのかも。来年から税制がどんどん変わっていき、相続税も所得税も持てる人ほど負担が増えていく。結局は、そのときそのときになってみないとわからんへんというか、対策の取りようがないんでは?? が、自分ちのお金についてよく把握してそれなりの心構えをしておかないといけないし、お金の価値を改めて知ることは勉強になるというか、ボケ防止になるというか。

『池上彰のお金の学校』  朝日新聞出版

『相続のミカタ』  青木寿幸  中経出版 

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