勝手にコーヒーブレイク(54) 《断捨離決行》 形あるものはいつかは失われる。家族や知り合い、家や職場など一瞬にして全て消えてしまうなんて、いったいだれが想像しただろうか。たくさんの豊かなものに囲まれ、贅沢なものを所有する満足感よりも、持てるものを少なくシンプルに暮らすことの快適さを見直すよい機会かもしれない。 思いながらも、整理するのが面倒で、捨てられない物に埋まっている我が生活ではある。 せいぜい、できるだけ増やさないようにはしているのに、夫はしょうもない粗品(デパート開店お買い物袋、蔵寿司のマスコットキャラ等)も喜んでもらってきては仕舞い込み、溜め込むことに余念がなく、適当に処分すると、「お前はなんでもかんでも放下してからに!」と怒るんである。あの馬鹿でかい高圧洗浄機(1回しか使ってない)を放下したい。 目下のところ、いちばんのやり手は別にアパート暮らししている娘であり、「断捨離」の本を買って捨てることに目覚め、次は「人生がときめく片づけの魔法」の本を読め読めと母親の私に勧める。今まではアパートに置けないものは、我が家の自分の部屋に大量に移動させただけだったが、今は、クロゼットの扉を開け放って片っ端からゴミ袋行き。あとから、私が袋を開けては、これはまだ使えるな、これも取っておこうなんてけち臭いことをやっている。(母親という名の愛ある不用品回収業者に注意)そのものである。 私に言わせれば、服、バッグ、靴など、そんなにどんどん捨てるなら、最初から買わんといたらええやんかって言うと、お母さんもバッグやらはすぐに買うやろって、反論されて言い返されへん。 しかし、パン焼き機=ホームベーカリーに関しては、夫が買おうというのを断じて阻止したのに、娘は自分で二流品を買って、使ってみぃと我が家の台所に置きっぱなし。私も一度はこれでパンを焼いたが、それっきりで食器棚の前に居座っている。邪魔やん、早よ、何とかしてくれい。 先日はコミック本を何十冊も古本屋に持ち込んで、古過ぎて引き取れないとか、1冊1円などで骨折り損。ま、ゴミ袋直行よりは納得感があるんやろう。 デジタルドラムやジグソーパズルもネットオークションでそれなりに売れたようだが、ヤフオクに登録するために、私がきれいに写真を撮ってやり、売れて発送するときも壊れないようにそれなりにきちんと包装してコンビニに持ち込んでやり・・・いろいろ私もやらされている。 私だって、この夏こそは着なかった服は潔く捨てよう!洋服ダンスの中の古いスーツも捨てよう!1980年代後半のあの肩パッド入りの逆三角形のデザインはもう巡ってくることはないであろう。昔の映画やドラマで見てもこの時代の流行はほんとに滑稽に見える。むしろ、70年代の細身の洋服なら今来てもおかしくない。さすがに手元にはないけど。 と、気持ちは片づけの方向を向き、「人生がときめく片づけの魔法」を読んだ。 (一気に片づけることで意識の変化を劇的に起こす)タンスの中から、クロゼットも、衣装箱のも衣服は夏物冬物1枚残さず、すべて一部屋に積み上げてからチェックするんだって。実は、ここで挫折している。せめて、涼しい秋になってから取り掛かりたい。 (片付けたら、絶対に戻らない) 今のところ、娘は片づけの魔法が効いているようだ。 (触ったときに、ときめくかどうかで判断。ときめかないモノは捨てる。モノに向き合って、モノとの関係を修復する これがいちばんのポイントみたいである。そのモノが上等でも高価でもまだ使えるようでも、そういうことは一切関係ない。家の中すべて片付いたら新たな人生が開けるそうだ。ここまで来るとちょっと神がかり的ではある。 『人生がときめく片づけの魔法』 近藤麻理恵 サンマーク出版 |