勝手にコーヒーブレイク(43)   《絵心発揮》           

 私の趣味はというと、今のところは、カメラと旅行で、カメラを持ったら何でも写したくなる。たとえ、それが新郎の母の席であろうと、お構いなしなのだ。11月に息子の結婚式があり、留袖を着ながら一眼レフを持って、ウズウズしていると、ウルウル泣けるどころじゃなくなってしまった。

 カメラを始める前は絵が好きだった。60色のユニカラー色鉛筆セット買ったり、透明水彩絵の具でボタニカルアート(植物画)を真似たり、俳画を描きたくて、顔彩絵の具や本も数冊買った。年賀状用に旅の風景のスケッチ画も描いたことがあるが、もうひとつものにならなかった。一見上手そうには見えるんだけど、簡単なスケッチといえども、よく見ると変、基本がなってないようなところがあって、自分でうーん…と嫌気がさすことが多かった

 早く完成させて、ウットリと?結果を眺めてみたい私には、絵は描きあげるのにあまりにも時間がかかる。だから、写せばすぐに一丁出来上がりの写真に転向してしまったようなところがある。そんな憧れのスケッチがたった3分で描ける!せっかちの私のためにあるような指南書ではないか。

 『3〜5分で描く「ちょいスケ」は描きたい部分の特徴を強調して描くので、観察者の思いとこだわりがそのまま強く表出しやすい。

カメラは注目したモノにアングルと構図を決めて、ササッと撮ってしまうので、あまりこだわりとか気にしたことがない。スケッチは「思い」「こだわり」ってのが必要なんだね。そのあたりがまだまだよくわからないが、用意するものは引出しにあった画用紙と水性ペンと黒色鉛筆だけ。

 『写真は必ず枠がある。二次元的世界。ちょいスケは対象の確定だけで三次元的世界。どのようなものでも線の要素はない。「線」ではなくて、「面」の集まったものを見ている。

 手始めに、結婚式のときの引出物の金平糖のパッケージをスケッチしてみた。実物は深緑とえんじ色のケースにそれぞれの色系の金平糖が入っている

面を線で表すために、対象物をしっかり見ないとダメなので、結局20分以上かかってしまったし、ギュッとねじってある部分はお手上げだった。コツをつかめばもう少し、手早く描けそうな気がするが、そこまで私の興味が続くかどうかがまず、問題である

 やっぱり、お手軽にカメラで撮る写真のほうがええわ、になりそうな…

「スケッチは3分」  山田雅夫  光文社新書

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