勝手にコーヒーブレイク(41)   《ひとりで生きられる》           2008/05

この長寿時代、平均寿命から考えると、女がひとりで生きていく期間が圧倒的に長くなっている。
いくらお金や家があってもひとりで生きる術、ノウハウを身につけておかないとたちゆかなくなる。そこでこの本。

 ようこそ、シングルライフへ。
結婚してもしなくても、みんな最後はひとりになる。「おひとりさまの老後」

 85歳以上は72対28で女性5人に男性2人。高齢者施設はバァさんばっかり。
世の男性諸君、長生きすれば女にモテるよ。
しかし、女のほうも選ぶ権利があるから、モテる男はいつもモテるし、モテない人は絶対数が減ってもモテないね、きっと。
シングルアゲインとは死別や離別で再びシングルになった女性のことで、既婚であっても子どもが独立すれば、家族している期間はたいして長くはない。
大手を振って夜遊びしてもだれからも文句は言われない。
ええなぁ。今も別に文句は言われないけど、夫の夕食を作り置きしておくとか、外食してもらうようにとか、そこそこ段取りをつけて行くのも面倒で遠慮もある。
こんな私でもよほどのことじゃない限り、夕食時までには帰宅している。
夫の帰宅時間より5分でも早く帰って、台所に立ってフリをしてれば楽勝である。

 シングルの良いところは自分の時間とお金と空間を自由に使えるということだ。
女の50代は元気いっぱい(私のことやんか)お出かけ大好き亭主だと、休みごとに夫婦で出かけることになり、結局女友達と行く機会が減ったりする。ひとりだと、相手を変えて何度でも旅行に行ける(私のことやんか)まだ、ひとりじゃないけど、私は。

 「自分だけの時間が地獄になるか極楽になるか、その時間をつぶすノウハウがあるかどうか。ひとりで居ることに耐性があるかどうか…夫の金はわたしたちのもの、私の金はわたしのもの」 私の意識も当然のごとく、自分の年金や自分で働いたお金はあんまり引き出さない。
しかし、もし、私のほうが早く死んだら、夫に残るのもアホらしいし、元気なうちにせいぜい使うのだ。

「友人にはメンテナンスが要る」が、シングルで暮らそうとおもったら、一に良好な友人を持っておくことだ。

 こんなこと、ぜーんぶわかってるわ、と思ったが。最後のほうで「ピンピンコロリ思想はファシズム」「孤独死は怖くない」など、こっちの思い込みを崩されるようなことも書いてある。
孤独死が相次ぐと新聞で検証記事が出て騒ぎ立てるが、孤独死する人はある意味、孤独を望んで生きてきたわけだから、孤独のままに死ぬことも予測してただろうし、それを他人にとやかく言われたくはない、というのだ。
家族に寄る看取りが最高の死であるいう最近のマスコミなどの論調とともに、いかに自分の考えがメディアに傾いているか、よくわかってそれも怖い。

「おひとりさまの老後」 上野千鶴子  法研

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