勝手にコーヒーブレイク (36) 《スピリチュアルはうさんくさい》 2007/02 近ごろ巷で大流行りの「スピリチュアル」とは「精神的な…」のような意味だと思っていたら、スピリチュアル=心霊主義思想、ほうら、やっぱり胡散臭いやんか。死後の世界や霊魂に関するものを信じることで、スピリチュアルはオカルトの一部分であり…ほうら、ますます胡散臭いやんか。 「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」私は絶対にハマらないと断言できる自信がある。学生運動、新興宗教、占い・運勢、ハイ、お好きな方は勝手にやってね。私の高校のときは学生運動が盛んで、「我々は〜」のアジ演説や特徴的な字体のガリ版刷りのアジびらが飛び交っていた。しかし、あそこまで本気で入れ込む人の気持ちが全く理解できなかったし、学問のなかでは心理学がいちばん嫌いで、心の中を分析?よくもあんな辛気臭いことできるもんだわと。 診察を受けに来た若い女性が「精神科医なら話さなくてもわかるでしょ」と言って香山リカ氏を驚かせてからわずか数年、瞬く間にスピリチュアルは市民権を得た。 耳が聞こえないのも貧乏なのもダンナが甲斐性無しなのも全ては前世の定め、あなたの内なる○○を信ずれば心豊か楽しくに生きていけるといわれたら、ま、それはそうなんだろうけど、全て個々の問題で自己完結しちゃっていいのぉ?「考えることや説明することをやめる」ではなくて「背景や筋道を他の人と共有できることばで説明しようとする」が大切なのだ。 無信仰の日本人はよりどころを求めているのかもしれない。そんな悩める日本人に救いは「スピリチュアリスト」としてやってきた。カウンセラーやセラピストがつくと、いかがわしさがすっと消える。自分の目に見えるものしか信用しない私は心に柔軟性がなく狭量なのか?癒される安らぎ、心の平安を取り損ねているのか?いや、そんなインチキな幸せなんか要るもんか! スピリチュアル、ハマるもハマらないもあなた次第でご用心。 「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」 香山リカ 幻冬舎新書 |