勝手にコーヒーブレイク (31)  《さおだけぇ〜の真相》         2005/11

 世の中、タイトルで本が売れる。二番煎じ、三番煎じで似たようなタイトルの本が出版されるというのがその証である。かなり、以前からベストセラーになっている「さおだけ屋はなぜ潰れないか?」も絶妙のタイトルであり、遅ればせながら手に取ってみた。

 本を読んで感動するか、役に立つか、それ以前に、その本を最期まで読みきれるかどうかが目下の私の読書の重要なポイントである。1年に100冊以上の本を読んでいた頃が懐かしい。読書の敵はパソコン。

 「自分の人生でいったい何回さおだけを買わなければならないか」と考えてみると、「さおだけ〜」と車で回っているさおだけ屋は儲かっているのか?が不思議になる。試しに私の生活の中で、いちばん最近にさおだけを買ったのは家の建て替えをした10年前のことである。それもホームセンターかどこかで購入した。
 この本は、やさしい例えから会計学を解き明かしている。利益を得るためには売上を増やすことと、かかった経費を減らすことにある。

 私は数年前、手づくりの手芸品をフリーマーケットで売ったりしていたので、この辺の感じは何となくわかる。年に何回もフリーマーケットに出店したり、手づくりの品を置いてくれるお店を開発したり。そして、材料費を安くあげるために大阪市内の問屋さんに買い出しに行ったり、出店料金の安いフリマを探したりした。バブルの頃はそれなりに儲かっていたが、不景気になってからは飾り物や趣味の品は売れ行きがどーんと落ちて、アホらしくて止めてしまった。安いものは徹底して安く、いいものはかなりのお値段で、と手作りものも二極に分化したように思う。中途半端の素人手芸はあえなく落ちこぼれた。

 また、手作りの人形が早々と完売すると単純に喜んでいたが、企業の話になると、こういうケースは「チャンスロス」といって、もっと売れたかもしれない機会を逃したということでマイナス評価になる。
「商品が余ることも怖いが、品切れすることも同じくらい怖い」

 会計以外に、この考えを利用して、ダイエットでも貯蓄でも実現できそうな目標ラインよりちょっと上に設定しておくほうがいいということだ。 

「費用対効果」という言葉をよく聞く。食器洗い機は手洗いに比べて洗剤も水道代も節約できる、というのがメーカーの売り文句だけど、電気代をかなりくっていることはほとんど言及されない。私は家計簿はつけたことがないくせに、25年間光熱水費の使用量を記録しているが、電気代だけが倍ほどにも増えている。節電家電が普及してもそれ以外にパソコンをはじめとして電気をくうものがふれているのだ。待機電力の明かりだけで家中明るいほどに。

 それに、一眼レフデジカメなど大きな買い物は割りとパパッと買ってしまうくせに、スーパーでの特売の値段には10円単位でこだわる。ティッシュペーパーは1パック5箱250円以下じゃないと買わないし、220円で買ったら儲けた!って喜んでいる。300円と比べても、ひと月5箱として1年でたった千円弱の儲けに過ぎない。こういうのは経営者には向いていない性格なんだそうだ。

「会計に限らず、数字には説得力がある」ACITAの会費は高いと言われるが、たったひと月3ドルですよ。これじゃ、全然説得力ないか…コーヒー1杯より安い!これでどうだ?

「物事をキチンと数字で考えることができるかどうか、それが数字のセンスだ」
会社も家計も何事も分析して比較することが大事なのだから、数学は電卓で加減乗除の計算できればいいのである。さあ、あなたも家計のプロのなりましょう。おっと、その前に、
あなたは「50人にひとりが無料」キャンペーンに惑わされていませんか?

「さおだけ屋はなぜ潰れないか?」   山田 真哉    光文社

今までの本のメニュー  

 ひらりんBOX 

inserted by FC2 system