《節約生活、言うは易し》  勝手にコーヒーブレイク (9) 2000.05

景気が上向いてきたというが、個人消費の方はぐずぐずしているようで、ショッピングセンターの中の店がいつのまにかゲームコーナーに変わっていたりする。

私宅は、バブルのあと収入が減るということはなかったが、やはり引き締めムードにのって、ここ数年は買い控え状態である。特に家の建て替えのとき、要らない物の山にうんざりしたこともあって、なるべく買わないように気をつけている。それでもしょうもないもんを買い込んではほぞを噛むこともないではない。

『節約生活のススメ』は、なるほどと思うことがいっぱい書いてある。健康・環境・倹約の3Kを基本にした生活を。「安いから買う」のではなく「必要だから買う」こと、と言われてもなあ…やっぱり本日のお買い得、目玉商品に手がのびるわなあ。そして、とりあえず床下収納庫にしまっておいて、ある日片付けようと開けてみれば、消費期限の過ぎたレトルトパックやマヨネーズが出てくるんである。

「買い物に出かける前にお茶をコップ一杯飲んでいくこと」空腹だと魚を買うつもりがお菓子に化けてしまうと。これはお茶1杯、飴玉1個なんかよりも草加せんべいのような堅い決意の方が必要なんじゃない?と卑しい私は思う。

手作り一覧表には、うどん、パン、アイスクリーム、チーズ、バター、豆腐、おから、きな粉、豆モヤシ、あられ、マヨネーズ、ケチャップ、ジャム、ウインナー、干物、ふりかけ、味噌、梅干し、干しシイタケ、等。

ウーン…まねしようという気にもならないわ。食費は週に2人で2000円也。食材は安い物を、調味料はこだわりの高級品を使うと。料理下手くその私もせめて純国産自然海塩、丸大豆天然塩醤油を使うことにしましょう。

そして、チーズの作り方、石けんの作り方から、割ばし炭の作り方まで載っている。お遊びとしてはおもしろそうだけどね。ここまでやるか。

35年の住宅ロ−ンを7年で返済。物を上手に捨てるコツ。洗剤を節約する知恵。「酢」の70の利用法。曜日ごと家事ローテーション(日曜日は寝具を日光に、月曜日は照明、ガラス磨き、火曜日は火の回りで台所ガスコンロ換気扇、水曜日は水回りの風呂場、トイレ掃除、木曜日は木だから家具や床など。金曜日は家計簿や銀行関係に、土曜日は…
(サテ、なんでしょう)そして、節約はしても贅沢のススメもちゃんと書いてある。毎年一客4万円のカップを買うんだって。

作者は根っからの節約人間として生まれたのではない。独身の時は電話代月に3万円、光熱水道費5万円と人並みの浪費家だったらしい。

で、やろうと思えば私でもできなくはないだろうが、やっぱり「節約生活」よりは「通販生活」!割ばし炭とその効用よりも、これは便利!3組まとめてたったの9800円!の方が楽しそう。そりゃ、よけいな物を買わずに越したことはないけれど、100均ショップであれこれ物色するのって何だか得した気分でルンルンになれる。

私にはとても毎年マイセンのカップを買う根性もないし、1万円でハナミズキを買うのもキヨブタだったんやから。

物に悩んでいるのなら最後はこの一言。
「究極の収納法は、物を持たないことである」


わかってるわ、そんなこと。けど、この前デパートのバーゲンで買った服、服、服、服はどないしよう…

『節約生活のススメ』  山崎えり子  飛鳥新社
 

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